「お寺でクラシック2」
平成17年度「名古屋市都市景観賞・まちづくり部門」受賞
特定の場所に縛られることなく自由に旅するノマド(遊牧民)の様に、スタイルや場所を定めず、お呼びがかかればどこまでも、どんなジャンルの曲にも取り組むNomadカルテットと申します。
ノマドの楽器である馬頭琴はヴァイオリンなど西洋弦楽器の先祖という説もあります。
「とにかく演奏を楽しむ」というアマチュアならではの楽しい雰囲気をお届けいたします。
前回2021年の「お寺で室内楽」に続き、2度目の機会をいただきました。
今回は“D”感情の起伏・うねりをテーマにお届けします。Dはドレミの「レ」の音のことです。
開催内容
- 【日時】2024年5月6日(月・祝) 開演:17:15 (16:45開場)
- 【料金】1,000円
- 【定員】40名
- 【会場】一畑山薬師寺 名古屋別院
- 名古屋市千種区春岡1-30-9
- (地下鉄東山線池下駅西口 徒歩8分)
- 【出演】芦田修、浜田ゆう (ヴァイオリン)、高橋由美子 (ヴィオラ)
- 早川直樹 (チェロ)
- 【お申込み先】やまのて音楽祭実行委員会
参加方法
参加には事前のお申込みが必要です。
詳しくは申込み方法のコーナーをご参照ください。
曲目紹介
- ボロディン作曲 弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調より第1楽章
- ボロディンが妻に愛を告白した20周年の記念として、妻に献呈された室内楽の名曲です。
妻への愛情あふれるメロディに乗せて過去の思い出、そして未来を描いています。(多分)
- シューベルト作曲 弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調「死と乙女」より第1楽章
- 15曲あるシューベルトの弦楽四重奏曲の14番目の曲です。モーツァルトが死を象徴すると表現した「ニ短調」で作られています。
作曲当時、自身の病気などで「幸せな時はもはや終わりを告げた。悲惨な現実に向き合うべく、苦しい現実を美しく見せようとしている」という手紙を友人に宛てています。
この7年前に作曲された歌曲「死と乙女」の旋律が第2楽章の主題に用いられていることからこの通称で呼ばれています。非常に辛い苦しみを孤高の美で表現しています。
- ラヴェル作曲 亡き王女のためのパヴァーヌ ト長調(弦楽四重奏版)
- 1910年にラヴェルが管弦楽曲として作曲しました。
「特定の王女に対する葬送の哀歌」ではなく、「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ(宮廷舞踏)」と言われています。スペインの風習や情緒に対する昔懐かしさを表現しています。
- チャイコフスキー作曲 弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 作品11より
- 第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」
この弦楽四重奏曲は、作曲家としての実力・評価が高まりつつある時期に、自作曲のコンサートを開催するにあたり、曲数が不足していたことで急遽作曲された曲です。
大切な昔の思い出やふるさとを懐かしむメロディが心に響きます。
初演の際、チャイコフスキーの隣でこの曲を聴いたトルストイが感動のあまり涙しました。
チャイコフスキーは「作曲家として喜びと感動をもって最も誇りを感じた瞬間」と日記に記しています。
- ハイドン作曲 弦楽四重奏曲 ニ短調 作品76の2「五度」より第1楽章、第4楽章
- 「五度」と呼ばれるのは、第1楽章の冒頭に現れる階名でミーラー/シーミーという5度音程で下降する音型に
由来しています。
このモチーフは下降するだけでなくて上昇する場合もあって曲の中で頻繁に出てきますが、大変パッションを感じさせる音型でこの曲を印象付けています。
もう一つの特徴的なモチーフは拍とずれて演奏するシンコペーションです。これを破綻なく弾き切るのは、結構スリリングです。
第4楽章は出だしこそ少し穏やかで慰めるような音楽ですが、次第に激しく燃える音楽に変貌していき最後はユニゾン(4パートが同じ音)で言い切って終わります。
70曲近くあるハイドンの弦楽四重奏曲の中でも特に印象的な名曲です。
- ほら、D-dur(ニ長調)、D-moll(ニ短調)の曲が、ずらりです。同じD(レ)を主音とした長調、短調の中で、時代や国を超えて、感情の起伏・うねりを感じていただければ幸いです。
いやいやG-dur(ト長調)の曲もあるじゃないか!というお声が聞こえてきそうですが。。。
大丈夫、「G(ソ)はD(レ)の5度下」です!
ごゆっくりお楽しみください。
演奏者紹介
- Nomadカルテット
- ヴァイオリン:芦田修、浜田ゆう
ヴィオラ:高橋由美子 チェロ:早川直樹
全員アマチュアですが、地元の複数のオーケストラで活躍しています。
演奏会場の紹介
一畑山薬師寺 名古屋別院
一畑山薬師寺は、臨済宗妙心寺派の寺院です。
厄除け・交通安全・眼病平癒などの祈祷で知られる祈祷寺で、愛知県岡崎市にある一畑山薬師寺の方が知られていますが、池下はその分院になります。一畑山薬師寺 名古屋別院